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2009年7月9日(木)「しんぶん赤旗」

都立看護学校つぶす自公民

廃止に賛成 11校→7校 定員半減

共産党「増設・授業料10万円下げ」要求


 12日投票の東京都議選で都立八王子、清瀬、梅ケ丘の3小児病院存続や救急医療の充実、医師・看護師不足の解消が大きな争点となっています。石原都政は小児病院廃止の理由に「医療人材不足」をあげていますが、都立看護専門学校を廃止し看護師不足に拍車をかけてきたのは石原都政と自民、公明、民主の「オール与党」です。(佐藤つよし)


写真

(写真)校舎が取り壊され、工事のための仮設棟や駐車場となっている都立公衆衛生看護専門学校の跡地

 都は2000年4月に「都における看護職員養成に関する検討会」最終報告を出し、民間との役割分担や高度化、多様化するニーズに対応できる看護職員の養成を口実に看護専門学校の廃止を進めてきました。石原知事が初当選した1999年度は看護学校が11校あり、学生の総定員は3600人でした。

 石原都政は都立で最も歴史の古い公衆衛生看護専門学校を2003年度に閉校。04年度に豊島と大塚、05年度に松沢の各看護学校を次々に閉校し、現在では7校、総定員1680人、半分以下に削減しました。

 さらに年間5万5000円(99年度)だった授業料を21万2600円と4倍に、無料だった寄宿舎(寮)の有料化や廃止など学生に負担を押し付け、お金がなければ通えない状況をつくりました。

常に人手不足

 人口1万人当たりの看護師・准看護師の養成所の定員は4人で、47都道府県中42位(東京民主医療機関連合会調査)、都の看護師の需要見通しに対し、供給見通しは常に3500人足りない状態(東京都福祉保健局、07年11月)です。

 この都立看護学校を廃止する条例に自民、公明、民主「オール与党」と生活者ネットワークはすべて賛成してきました。

 検討会最終報告を前にした00年3月2日、都議会本会議で自民党は、都立看護専門学校の見直し(統廃合)を「具体的に進めていただきたい」(高島直樹都議)と迫りました。

 公衆衛生看護専門学校廃止の条例審議で自民党は「質の高い看護職員を養成しつづけるために新たな養成規模を縮小していかざるを得ない」(串田克巳都議、03年2月14日本会議)と主張しました。

一貫して反対

 日本共産党は看護専門学校廃止に一貫して反対。「看護師養成の強化が求められているときに、その一翼を担う都立看護専門学校の廃止や授業料値上げは逆行するものであり、反対」(吉田信夫都議、03年2月28日厚生委員会)と表明しました。都議選では看護職員を増やすため都立看護学校を増設し、引き上げられてきた授業料を年10万円下げる政策を掲げています。

 中野区の看護師、小林はるみさん(53)は廃止された都立公衆衛生看護専門学校の卒業生。「都立の看護学校で寮も無料だったからお金がなくても安心して正看護師の資格をとることができた。看護師が足りず現場は大変です。負担が少なくて学べる都立看護学校の定員を増やし看護師不足を解消することこそ都の責任でやるべきです。都政で福祉や医療の充実のため頑張る共産党を伸ばさなければ」と奮闘しています。



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