2009年7月9日(木)「しんぶん赤旗」
改定入管法・住基法が成立
共産党は反対
改定出入国管理・難民認定法(入管法)と改定住民基本台帳法(住基法)が8日、参院本会議で与党と民主党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党、社民党は反対しました。
改定入管法は3カ月以上滞在する外国人に、その個人情報を登録した「在留カード」を法務相が交付、同相がその情報を一元的、継続的に管理することが柱です。改定住基法は外国人住民基本台帳を新設することが柱です。
日本共産党は改定入管法について「在留外国人の私的生活の細部に立ち入り、個人生活の監視を許すもので、プライバシー権を侵害する」として反対しました。
改定住基法については、「在留資格を有しない外国人」を行政サービスなどから排除する危険があるとして反対しました。
両法は衆院段階で自民、公明、民主の3党が修正合意しましたが、法律の本質的な問題は変わっていません。
外国人との共生に逆行
改定入管法成立 NGOが抗議
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「在留カードに異議あり!」NGO実行委員会は8日、日本に滞在する外国人の在留管理を強化する改定入管法など3案が参院本会議で可決、成立したことを受け、国会内で記者会見し、抗議声明を発表しました。
声明は「外国籍住民の管理と監視を強化する法制度から、権利保障と共生を目指した法制度への転換を、今後とも求め続けていく」と表明しています。
今回の改定により、外国人登録証明書(在留資格の有無にかかわらず市町村が交付)は廃止され、法務相が「適正」と判断した外国人(3カ月以上の滞在者)に交付する在留カードに置き換えられます。
超過滞在(オーバーステイ)などの理由から在留カードを交付されない外国人は、現行では受けられる国民健康保険や児童手当などの行政サービスから排除される可能性が生じます。
実行委員会の一人、移住労働者と連帯する全国ネットワークの鳥井一平事務局長は「オーバーステイといっても、例えば20年以上も日本で働き、税金も納め、日本の産業を支えてきた。国会は、働く仲間や隣人という視点から議論していない」と指摘しました。
日本共産党の仁比聡平参院議員は記者会見の前にあいさつ。「当事者である外国籍住民の声を聴かないまま審議を打ち切り、法案を成立させたことは問題だ」と述べました。
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