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2009年7月9日(木)「しんぶん赤旗」

水俣病法案の共産党修正案

仁比議員の趣旨説明

参院委


 日本共産党の仁比聡平議員が7日の参院環境委員会でおこなった「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法案」の全部を修正する日本共産党修正案の趣旨説明は次の通りです。

 日本の公害の原点といわれる水俣病のすべての未認定患者は、長年の苦しみや差別に耐えながら、水俣病被害者として認定され、正当な補償が受けられることを切望しています。

 修正の第一は、国が、最高裁判決によって事実上否定された国の判断条件に固執し、「二重の基準」の抜本的見直しを拒否しているもとで、公害健康被害補償法の水俣病認定基準を1年以内に見直し、最高裁判決に基づく認定基準によって認定患者に適正な補償の実施を確保するものです。

 新たな認定基準は、(1)四肢末梢(まっしょう)優位または全身性の触覚または痛覚の感覚障害(2)口の周囲の触覚または痛覚の感覚障害(3)舌または指先の2点識別覚の障害(4)求心性視野狭窄(きょうさく)(5)大脳皮質障害による知覚障害、精神障害または運動障害―を法定化し、一つでも条件を満たす者は水俣病被害者として認定する措置を講じなければならないこととします。

 また、水俣病の認定審査は、主治医の判断に基づくことを基本として行わなければならないものとします。

 第二は、最高裁判決に基づいた認定基準ですべての水俣病被害者を救済するために、3年を目途に、長年研究、診察にあたってきた研究者、医学者の意見を聴き、不知火海沿岸、阿賀野川流域の住民の健康調査を実施し、水俣病被害の全容を解明します。

 また、メチル水銀曝露(ばくろ)による健康影響及びこれによる症状治療等の調査研究を実施し、胎児性水俣病などが水俣病の認定を受けられるなど必要な措置を講じなければならないものとします。

 第三は、水俣病の認定を受けた者の補償は、最高裁判決の趣旨を踏まえ、水俣病の原因となったメチル水銀を排出した加害企業チッソ及び昭和電工、水俣病の健康被害の拡大を防止できなかった責任を有する国および県が、それぞれの責任に応じた費用を負担するものとします。

 この規定に基づき、認定基準の見直しによる最高裁判決水準の被害補償を完遂させるために、国は水俣病被害者と加害企業チッソおよび昭和電工との新たな補償協定を締結させます。そして、最高裁判決で断罪された加害企業チッソ、国および県の加害責任は、補償協定に明記することとします。



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