2009年7月9日(木)「しんぶん赤旗」
沖縄・泡瀬干潟
開発やめてハゼ守れ
調査の裁判長らに市民語る
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沖縄県沖縄市の泡瀬干潟埋め立て・開発事業をめぐり市民らが市長と県知事に事業への公金支出の差し止めなどを求めた裁判の控訴審進行協議として8日、福岡高裁那覇支部の河邉義典裁判長らが現地を調査しました。埋め立て場所周辺11カ所を回り、市民、県・市側の双方から意見を聞き取りました。
市民らは170種以上の絶滅危惧(きぐ)種が生息し、豊かな生態系が形成されていることや埋め立て事業開始後に砂州、泥干潟が変化しトカゲハゼ、海草藻場が激減・消滅していることなどを説明。「工事の進行と同時に被害が広がっている。干潟を守り、無駄なお金の支出もやめるべきだ」と訴えました。また、近隣にある埋め立て地で企業誘致が進んでいないことなどを現地で広大な空き地を前に語りました。
県や市側は担当者が説明。埋め立て事業については県の担当者が「港湾整備に伴う浚渫(しゅんせつ)土砂を埋め立て土砂として有効利用しており、経済的かつ効果的な事業」としました。埋め立て後の開発事業については市の担当者が「活性化を担い、海を生かした時代のニーズに応え得る土地利用計画の作成に向け、市民参画のもと鋭意取り組んでいるところ」としました。
河邉裁判長は「実際に見ると分かりやすい。見解は判断のなかで示す」と語りました。
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