2009年7月10日(金)「しんぶん赤旗」
臓器移植法改正案
質疑終結 中間報告へ
参院委理 小池議員が反対
臓器移植法改正案を審議している参院厚生労働委員会は9日の理事会で、改正案の質疑を同日で終結し、本会議で「中間報告」を行うことを、自民、民主、公明の3党の賛成で決定しました。日本共産党と社民党は反対しました。「中間報告」は10日の本会議で行われる見通しです。
同委員会では本人の同意なく臓器提供を可能とするA案、「子どもの脳死臨調」設置を盛り込んだE案の審議が続いています。また、この日の委員会には、「一律に脳死は人の死」とする文言を削除した修正A案が提出されたばかりです。「中間報告」は、委員会での審議が尽くされていないのに、議論を打ち切り、本会議での採決に持ち込むやり方です。
理事会で日本共産党の小池晃議員は、▽衆院委では小委員会も含め2年以上議論したが、参院では審議が開始されたばかりで小児の長期脳死など新たに解明すべき論点が出ている▽修正A案は、「一律に脳死は人の死」とするという文言を削除しながら、本人の同意なしに脳死判定を可能にするという問題があるにもかかわらず、1時間の自由質疑のみで審議を終えようとしている▽委員会で議論の整理もできていないのに「中間報告」で本会議に棚上げすることは委員会の責任放棄である―の3点の理由を上げ、徹底審議を行うよう強く求めました。
辻泰弘委員長は「委員会として方向性を出す必要がある」などと述べ、質疑終局を決めました。