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2009年7月17日(金)「しんぶん赤旗」

温暖化や経済危機の解決

非同盟首脳会議 各国が一般討論


 【シャルムエルシェイク=松本眞志】エジプトのシャルムエルシェイクで開かれている第15回非同盟諸国首脳会議は、15、16両日の一般討論で、中東、アジア、アフリカ、南米、欧州の各地域代表が発言しました。


 中東地域では、パレスチナ自治政府のアッバス議長がヨルダン川西岸地区の分離壁、ガザ地区の経済封鎖、非人道兵器使用などイスラエルの占領・軍事政策の現状を告発。パレスチナ内部分裂も和平阻害の要因になっていると述べ、解決への非同盟運動の支援を要請しました。

 アジアからは、インドのシン首相が「地球温暖化問題の公正な解決は歴史的責務だ」と主張しました。また、テロの広域化にも言及し、包括的解決のための国際協定の設置を要求しました。

 パキスタンのギラニ首相もテロ問題について発言。「この問題は世界的現象であるとの認識が必要であり、軍事的手段のみではない多面的戦略、特に政治的・経済的手段による根源への対応が重要だ」と指摘しました。

 ギラニ首相は、パキスタンに影響を及ぼしているアフガニスタン情勢の打開のため、米国だけでなくイラン、トルコ、ロシアなど周辺諸国の協力も大事だと訴えました。

 マレーシアのナジブ首相は、国際経済危機が貧困根絶の国連ミレニアム開発目標達成への取り組みを後退させ、失業の増大、海外からの投資の激減の要因になったと指摘。国連の対応を評価するとともに、解決の方策としてイスラム金融システムの採用を提唱しました。

 アフリカ地域では、南アフリカ共和国のズマ大統領が前回のハバナ会議後の「劇的な情勢変化」の一つとして国際経済危機をとりあげ、効果的な対応策として南南協力の重要性を訴えました。

 中南米地域では、ニカラグアのサントス外相が最近のホンジュラスでのクーデターを「民主主義への脅威」と非難。チリのアントニオ大統領府長官は、内政不干渉を掲げる非同盟運動の特別な役割を評価し、同国が国際経済危機の影響克服のためのルールを確立して新たな雇用を提供してきたと報告しました。

 ドミニカ共和国のフェルナンデス大統領は、経済危機が国民の生活必需品の価格高騰を導いたとし、非同盟運動は第三世界の国民の願望にもっと耳を傾けるべきだと述べました。

 欧州では、ベラルーシのマルチノフ外相が発言。「欧州唯一の非同盟運動加盟国として南北問題での結節点として積極的に活動する」と誓約しました。



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