2009年7月17日(金)「しんぶん赤旗」
英 温暖化対策計画
電力の40% 低炭素エネルギー源に
英政府は15日、2020年までに同国の電力の40%を二酸化炭素(CO2)の排出量が低い低炭素エネルギー源でまかなうことで、法的に拘束された温室効果ガス排出の目標を達成する温暖化対策包括的計画を発表しました。現在同国の低炭素エネルギー源依存率は20%です。
ミリバンド・エネルギー・気候変動相によると、計画の3本柱は、低炭素エネルギー源の再生可能エネルギー、原子力、清潔な化石燃料。このうち、再生可能エネルギーは現在の6%を20年までに31%に増加、逆に原子力依存率は現在の15〜25%から8%に減少させます。
ミリバンド氏は「わが国のエネルギー安全保障を強化するもので、産業的な好機をつかむためのものだ」とし、環境問題への取り組みを経済成長や雇用確保にもつなげる意向を示唆しました。
計画では、風力や波力など再生エネルギーを活用した発電を推進するために、国家予算から沖合での風力発電に最大1億2000万ポンド(約180億円)、波力・潮力に6000万ポンドを投じる方針です。そのうえで、温暖化対策関連の雇用を現在の88万人から15年までに128万人に拡大します。
英政府は、08年11月に気候変動法を成立させ、CO2排出量を20年までに1990年比で26%削減、温室効果ガス全体を50年までに80%削減することを法的拘束力のある目標としています。(夏目雅至)
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