2009年8月12日(水)「しんぶん赤旗」
高速道路無料化でCO2 年980万トン増
環境政策研が試算
NPO(民間非営利団体)の環境自治体会議・環境政策研究所は10日、民主党がマニフェストに掲げた「高速道路無料化」「(自動車関連税の)暫定税率廃止」が実施された場合、二酸化炭素(CO2)排出量が少なくとも年間980万トン増加するという試算を発表しました。
試算は、国土交通省幹線旅客流動調査(2005年)のデータをもとに求めたもの。これにより交通部門全体の年間排出量は約4%増加しますが、試算は都市間交通など長距離交通への影響のみを集計したものであり、「国内全体では、影響はさらに2〜3倍に拡大する可能性がある」と予測しています。無料化や減税によって自動車の利用者が増える誘発交通量の影響も、試算には入っていないとしており、排出量はより増大する恐れがあります。
試算はまた、自動車の利用が増える結果、他の公共交通機関の輸送量が減少すると指摘。航空機は11%減、鉄道は36%減、バスは43%減少すると予測しています。その結果、減便や路線廃止により「鉄道やバスの崩壊を招くことになれば、その分がさらに自動車に移行しCO2排出量の増加につながる」としています。
また、交通事故による死者数が年間250人、負傷者数は同4万2000人増加するとしています。
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