2009年8月13日(木)「しんぶん赤旗」
年金から住民税を天引き
10月開始 高齢者ら怒り
年金から住民税が天引きされる制度が10月から始まります。開始を前に、役所からの通知を受けた年金生活者には怒りと不安が広がっています。
住民税天引きの対象となるのは、個人住民税を納税する65歳以上の公的年金受給者。これまで住民税は、年4回にわけて、役所や銀行に出向いて納める方法(「普通徴収」)がとられていました。しかし、今年度10月から支給される年金から勝手に天引き(「特別徴収」)されることになります。(今年度は4回、2010年度から6回)
年金からの天引きはすでに介護保険料(2000年)に始まり、08年には後期高齢者医療の保険料、国民健康保険料(税)もされました(後期・国保についてはその後、「選択制」に修正)。
政府は、住民税天引きについて、「金融機関などに行く必要がなくなり、市区町村においても事務の効率化が見込まれる」(厚労省ホームページ)などと説明。高齢者の都合よりも役所の都合による一方的な制度の押しつけを正当化しています。
天引きの導入は、2008年4月、自民、公明の与党が衆院本会議で3分の2の再議決を使って強行したものです。ガソリン税などの暫定税率を復活させ10年間延長する法案と一緒に、地方税法を改定しました。日本共産党は反対しました(民主党、社民党、国民新党は本会議を欠席・退席)。
日本年金者組合東京北支部の山本健二さん(77)は、「年金生活者にとっては、年金は生活費そのもの。介護保険料、後期高齢者保険料に続き、住民税まで天引きするとは、あまりにも安易だ。取りはぐれのないようにと考える為政者の意図がありありだ」と怒ります。
日本共産党は、住民税の天引きについては、「『天引き』の強制をやめさせ、各人の希望で普通徴収に変更できるように」(総選挙政策)と主張しています。