2009年8月15日(土)「しんぶん赤旗」
侵略戦争正当化の教科書
都教委が採択、都民抗議
東京都教育委員会(木村孟委員長)は14日臨時会を開き、2010年度から都立中高一貫高と知的・視覚障害を除く都立特別支援学校で引き続き、侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」会員らが執筆した扶桑社版歴史教科書と公民教科書を使うことを採択しました。
「つくる会」歴史教科書は、太平洋戦争を「大東亜戦争」と表記し、アジア解放の役割を担ったかのように描いています。公民教科書は、憲法「改正」と国防の義務を強調。
都教委臨時会で6委員が無記名で投票、一切議論をせず票数のみが報告されました。歴史・公民教科書では、扶桑社を選んだのが5委員、他社を選んだのが1委員でした。
「『つくる会』教科書採択を阻止する東京ネットワーク」、労働組合の代表らは、今回の採択撤回、学校教職員の意見にもとづいた採択制度への改善を求め、都教委に抗議文を提出しました。
12日に「つくる会」中学校歴史教科書を採択した杉並区から参加した女性(69)は「学校現場で、アジアに多大な損害を与えた視点が欠落していると批判されている教科書を採択するのはおかしい」と話しました。