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2009年8月19日(水)「しんぶん赤旗」

「建設的野党」として現実政治を前に動かす

NHK「ニュース7」 志位委員長が語る


 日本共産党の志位和夫委員長は18日夜、NHK番組「ニュース7」の党首インタビューで質問に答えました。大要を紹介します。


自公政権退場後をどうするかに、既に選挙戦の焦点は移っている

  ――共産党のセールスポイントを。

 (フリップを提示して)「建設的野党」と書きました。今度の選挙で、私たちは、自民、公明の政権の退場ということを、まず第一に訴えていますが、選挙戦全体の様相を見ますと、それがかなり圧倒的な流れになってきていると思います。

 選挙戦は、自公政権を退場させた後に、いったいどういう政治をつくるのかと、ここが焦点にすでに移ってきていると思います。

 そのときには、やはりいまの状況からすると民主党中心の政権がおそらくできることになるでしょうが、そのときには私たちは国民のみなさんの切実な要求をどんどん積極的に提案して、「良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対」という立場を貫いていきたい。「建設的野党」というのはそういう意味をこめて述べています。

 同時に、いまの日本の政治のゆがみ、内政では「財界中心」、外交では「軍事同盟中心」というゆがみを大本から正す。「国民が主人公」の日本に切り替えていく。そういう仕事もやっていきたいと思います。

共通する方向では協力、日米FTA・比例削減などは「防波堤」として食い止める

  ――「建設的野党」と「たしかな野党」との違いは。

 「建設的野党」というのは、民主党政権ができたもとで(という)、私たちが次の(政治的)局面でとる仕事として打ち出したもので、「たしかな野党」のように全体としての党の(政治的)規定をしたものではないんです。

 先ほど「良いこと(には協力する)」と言ったんですが、たとえば労働者派遣法の改正、後期高齢者医療制度を撤廃する、障害者自立支援法の「応益負担」をなくす、高校の学費を無償化する、生活保護の母子加算の復活、こういう点はわが党はかねてから主張してきた点ですけれども、民主党のマニフェスト(政権公約)にも同じ共通の方向が書いてありますから、これは協力して実行させたい。

 同時に、(民主党のマニフェストにある)日米FTA(自由貿易協定)、これは日本の農業、コメをつぶしてしまいます。82%のコメがつぶれますから、これは絶対に許容できません。あるいは衆院の比例定数80削減。これは、いまの制度の中で一番民主的な部分がつぶされてしまいますから、国会の議席の95%を自民、民主で独占することになって、(国民の)多数の声が届かなくなりますから、こういう間違ったことは「防波堤」になって食い止める。

 こういう仕事を次の総選挙後の政治の新しいプロセスのなかで、私たちがしっかりやる。そのことが日本の政治をぐっと前に動かす、現実政治を前に動かす力になるというふうに考えて、こういうことを言っております。

政治のゆがみ正し、「国民が主人公」の日本へ、新しい局面を前に動かす

  ――民主党政権が誕生した場合には政策的にも「現実路線」に修正するのか。

 「現実路線」というよりも、先ほど言ったような、いくつかの一致点ということがありましたね。一致する共通する方向です。これは私どもがかねてから言ってきた点で、そして民主党のマニフェストにも記載されている。これはやはり国民の要求を反映して、そういう事態になるわけですから、そういう部分は協力していくことができます。

 しかし、先ほど言った(日米)FTAの問題だとか、比例の定数削減、あるいはさらに大きな問題で言いますと、将来的には消費税の増税、憲法改定、こういう問題になってきますと、大きな立場の違いがあるわけですね。ですから、そういう間違った方向に日本が絶対に行かないようにする。

 そして日本の政治の先ほどいった「財界中心」「軍事同盟中心」という大きなゆがみを打開して、「国民が主人公」の日本をつくる。

 そういう仕事を全体としてやっていく政党が伸びることが、今後(選挙後)の新しい政治局面で、日本の政治をさらに前に進める一番の力になると、私たちは訴えております。

全国どこでも「比例は日本共産党へ」の流れを、大いに広げたい

  ――衆院選挙での共産党の勝敗ライン、目標議席は。

 私たちは「比例を軸に」ということでたたかっております。全国の11の比例ブロックで、それぞれ議席増の目標を決めております。それをぜひ果たしたいと思います。

 それから得票の目標として(比例代表で)全国650万票以上という得票目標を決めております。これをぜひやりたい。

 小選挙区は152(選挙区で)立候補しておりますが、ぜひ、すべてで勝利をめざしたいと思いますが、わけても今日は京都に来ておりますが、京都1区のこくた(恵二)さんは必勝ということで、ここでも風穴を開けたいと考えております。

  ――小選挙区候補者を大幅にしぼったが、民主党への間接的な協力か。

 特定の党に対する何か政治的目的を持った方針ではありません。比例一本でそういうところ(小選挙区候補者を擁立しない選挙区)はたたかうことになります。

 いまの流れとしては、いろいろしがらみもあって、小選挙区はどうしても自民党だという人も、やはり政治を変えなければならないからと、「比例では共産党」と。それから民主党という方も、やはり民主党ではちょっとあぶないから、「比例では共産党」という流れが、そういう私たちが小選挙区(候補者)を立ててないところでも、広がっておりますので、ぜひ「比例は共産党」という流れを大いに広げていきたいと考えております。



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