2009年8月19日(水)「しんぶん赤旗」
耕作放棄地を減らすにはどうすべきか?
〈問い〉水害のたびに思うのは農山村の荒廃です。とくに増えつづける耕作放棄地について、日本共産党はどうすべきだと考えますか。(山口・一読者)
〈答え〉農山村の荒廃は、自公政治が「構造改革」を名目に、農産物の輸入自由化や価格政策を廃止するなど農林業を成り立たなくさせ、規制緩和や「民営化」のもとで、郵便局や交通機関、医療など農山村の住民を支える行政サービスを切り捨ててきたことにあります。
これが集落を崩壊させ、農地や森林の管理・利用をできなくさせ、国土保全や環境を悪化させてしまったのです。その中で起きているのが耕作放棄地の増大です。最近の農水省の調査では、全農地の8%、栃木、茨城、群馬3県の農地面積に匹敵する38万6000ヘクタールにも及んでいます。政府もその解消を言い出していますが、農地法が農地にたいする権利を耕作する農家だけに認めていることに原因があるとして、農地法を改定し、大企業なども自由に参入できるようにしてしまいました。
耕作放棄地が増えつづけている最大の要因は、低価格などで農業生産が引き合わないことにあります。あわせて耕作放棄地になる原因も、面積が小さい、傾斜がきつく機械が入らない、地域に引き受け手がいないなどさまざまです。政府などは、所有者に耕作を義務づけてなくそうとしていますが、原因を取り除かずに解消できません。
日本共産党は、農産物の価格保障や販路の確保、国内農林業に打撃を与える輸入の規制など、農業生産がつづけられる条件を整えることが第一だと考えています。そのうえで、耕作放棄地が多い条件不利地域への中山間地域直接支払い制度の継続・拡充、集落営農などさまざまな協同組織を含む担い手づくり、農地の保全と農業者の利用を保障する体制の強化などの総合的な対策を主張しています。
あわせて大事なのは、農林業とともに、若者を含めて多くの住民が働き、暮らせる地域づくりを進めることです。農村全体を活気づかせることや、農業を活性化し、耕作放棄地をなくす重要な条件だからです。(坂)
〔2009・8・19(水)〕