2009年8月23日(日)「しんぶん赤旗」
水俣病 全面解決へ現地調査
吐き気、しびれ「負けない」
熊本
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まだ終わっていない水俣病の現状を知ってもらい全面解決と全被害者の救済を訴えるミナマタ現地調査が22日、熊本県水俣市で開かれ、県内外から300人が参加しました。
同市公民館での集会では、実行委員長の大石利生不知火患者会会長が、9月には不知火海沿岸で千人規模の検診をする計画を示し、たたかう中で救済を求めていく決意をのべ開会あいさつしました。
「すべての被害者を救済するために―被害の広がりと継続を考える」と題して開かれたシンポジウムでは、被害者、弁護士、医師が報告。
不知火患者会と同様の裁判でたたかっている水俣病被害者互助会の女性は、薬を飲んでも止まらない吐き気、頭痛、手足のしびれに悩まされていることを語り、7月に自公、民主が強行した「水俣病特措法」について「チッソを救済する法ができたが負けない」と裁判でたたかう決意を表明。
園田昭人ノーモア・ミナマタ訴訟弁護団長は「特措法」について、最高裁判例を無視している、加害者を救済するものなどと指摘し、「あくまで司法の場で救済を求めていく」とのべました。
発見当時から水俣病患者を診てきた原田正純熊本学園大教授は「特措法では、医学的に見て判断基準はまったく広がっていない。ペテンだ。その中での大がかり検診を計画した」と大規模検診の意義を語りました。
ノーモア・ミナマタ近畿訴訟の徳井義幸弁護団長、新潟水俣病阿賀野患者会の酢山省三事務局長が、それぞれのたたかいを報告しました。
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