2009年8月24日(月)「しんぶん赤旗」
財界主導に決別し家計に軸足を
憲法9条生かした“外交力”こそ
NHK番組 志位委員長が主張
日本共産党の志位和夫委員長は23日、NHK「日曜討論」に出演し、経済・外交の基本姿勢をめぐって各党党首と討論しました。(テレビ党首討論の詳報)
自民党の麻生太郎総裁は「経済無策と批判されてきたが、(GDP・国内総生産は)3・7%の成長率となった」と発言。「中小企業、雇用の数字はおくれて出てくる」などと述べました。
これに対し、志位氏は「今度の経済指標はずっとマイナスだったものが前期比でちょっとあがっただけ。雇用者報酬はマイナス4・7%で史上最悪。中小零細企業の倒産件数も15%増えている。一番の経済の支えが崩れている」と指摘。「一部の輸出大企業を応援するやり方は失敗したという事実をきちんと見る必要がある」と述べました。
そのうえで、大企業の「競争力強化」といって不安定雇用を拡大し、社会保障の連続削減をおこなった結果、国民生活の土台が壊されたとして、「この事実を踏まえて、大企業から家計に経済政策の軸足を抜本的に転換すること抜きには日本経済は立ち直らない」と発言しました。
一方、民主党の鳩山由紀夫代表は「政府の予算の配分は業界団体を通じて行い、官僚の天下り先が存在する。そこにムダなお金がでてくる」と述べ“官僚政治の打破”を強調しました。
志位氏は「あしき官僚主導の政治からは決別する必要がある」と述べると同時に、「日本の政治の一番の問題は、“財界主導”の政治だ」と指摘。不安定雇用の拡大、社会保障費2200億円の削減、消費税増税の動きのすべてが財界の号令から始まったということを具体的にあげ、「この“財界主導”の政治から決別し、『国民が主人公』の日本にしていく。これをやる意思があるかどうかが、政党の試金石だ」と述べました。
また、「建設的野党としては、民主党の外交政策をどう評価するか」と問われ、志位氏は自衛隊のインド洋からの撤退を強く要求。「国際貢献というと、すぐ軍事だ、あるいは自衛隊を動かすという発想から脱却する必要がある」と提起しました。
志位氏は、北朝鮮の核兵器開発をめぐっても米国、中国、韓国が外交ルートをつくり交渉による解決を模索するなか、「外交のメッセージが唯一ない国が日本だ」と厳しく批判。オバマ米大統領の核兵器廃絶演説を受け、被爆国としてどう前に動かすかという点でも“外交力”が問われているとして、「憲法9条を生かした平和外交に転換する必要がある」と力説しました。