2009年8月26日(水)「しんぶん赤旗」
「応益負担」の自立支援法
「違憲」と障害者提訴
岡山地裁
障害者自立支援法の「応益負担」は、法の下の平等や生存権などを定めた憲法に違反するとして、岡山県美咲町の男性(61)が25日、国家賠償などを求め、岡山地裁に提訴しました。支援する仲間たち約30人が車いすに乗り、盲導犬をつれ、男性に同行しました。
昨年10月の第1次いっせい訴訟、今年4月の第2次いっせい訴訟に続くもので、男性は全国で63人目の原告になりました。記者会見で男性は「車いすの修理費だけで2万1800円の自己負担で、苦しい思いをした。普通に道や自宅のなかを移動するにも応益負担がかかる」と訴え、「自立支援法はいったん廃止に」と提訴の決意を語りました。
支援者の一人、視覚障害者の女性(54)は「食べること、排せつすることにも支援がいる人に重い負担をかける『応益負担』の撤廃を求めてがんばります」と語りました。
光成卓明弁護団長は「障害者自立支援法が、障害者の基本的人権を侵害する、違憲、違法な法律であることを司法判断を通じて明らかにするとともに、この問題を国民的課題として、同法の廃止を含めた、障害者が当たり前に生きていくことができる、あるべき社会の構築を実現したい」と訴訟の意義を語りました。
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