2009年8月28日(金)「しんぶん赤旗」
「建設的野党」の躍進こそ、政治を前に動かす最大の力
東京・八王子 志位委員長が訴え
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日本共産党の志位和夫委員長は27日、東京都八王子市で演説し、「私たちは自公政権を退場させようと訴えてきましたが、もはや(退場の)流れは決定的になりました。自公政権退場後に、日本の政治をさらに前にすすめるためには、日本共産党の躍進がどうしても必要です」と最終盤にあたって熱烈な訴えをおこないました。
志位氏は、民主党中心の政権ができた場合に、日本共産党は「建設的野党」として二つの仕事を果たすと表明しました。
「良いことに協力、悪いことに反対、問題点をただす」
その第一は、「良いことには協力し、悪いことには反対し、問題点をただし」、現実政治を前に動かす仕事です。
志位氏は、「良いことには協力」という点で、労働者派遣法の改正、後期高齢者医療制度の撤廃、障害者自立支援法の「応益負担」の廃止、生活保護の母子加算復活、高校授業料の無償化と返済不要の奨学金などは、新政権に協力して実行をせまりたい、国民とともに先駆的に主張してきた共産党をのばしてこそ、実現がたしかなものとなると訴えました。
また、「悪いことに反対」という点では、農業・コメをつぶす日米FTA(自由貿易協定)、衆院比例定数削減などの動きに強く反対するとともに、消費税増税、憲法9条改定に踏み出したときには、これに断固反対する「防波堤」として頑張り抜くと表明しました。
さらに、「問題点をただす」という点では、高速道路の無料化、庶民増税と抱き合わせの子ども手当、財源論などの問題を指摘。日本共産党の責任ある財源論を示すとともに、消費税増税反対の声をあげようとよびかけました。
政治のゆがみを大本からただし、「国民が主人公」の日本に踏み出す
第二は、政治のゆがみを大本からただし、「国民が主人公」の新しい日本に踏み出す仕事です。志位氏は、「財界中心」「日米軍事同盟中心」から抜け出し、憲法どおりの「国民が主人公」の新しい日本をめざす日本共産党の改革の大方針を力説。「ここには二つの焦点があります」と話をすすめました。
一つは、「財界主導の政治」から抜け出せるかという問題です。志位氏は、党首討論会での民主党・鳩山代表との論戦を紹介し、「『官僚主導』の政治との決別は言うが、『財界主導』の政治との決別を言えない。ここに民主党の大きな問題点があります」と指摘。財界・大企業の横暴勝手こそ暮らしを壊す震源地だとのべ、このゆがみをただして「ルールある経済社会」をめざす日本共産党の立場をのべました。
もう一つは、アメリカとの関係です。志位氏は、日本共産党が、核兵器廃絶など、アメリカが前向きに変化しつつある問題ではそれを促進するために働きかけるとともに、日米関係、米軍基地、海外派兵など、変化が見られない問題には、厳しくただす立場をとっていることをのべ、憲法9条を生かした平和外交への転換を強く訴えました。
「自公は愛想がつきた。民主は不安」と感じている方々に
最後に、志位氏が、すでに国民の圧倒的多数は「自公は愛想がつきた」と思っているが、「民主は不安」と感じている方々も少なくないでしょうと語りかけ、「日本共産党を躍進させることが、自公政権を退場させた後に、日本の政治を前に動かす一番の確かな力となります。大激戦、大接戦を、勝ち抜かせてください」と心を込めて訴えると、駅前を埋めた聴衆から大きな拍手と歓声がおこりました。