2009年8月31日(月)「しんぶん赤旗」
M6.5駿河湾地震で想定超す揺れ
浜岡原発 M8級不安
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マグニチュード(M)8級の東海地震が起きたらどうなるのか―。11日に発生した駿河湾の地震(M6・5)で、設計時の想定を上回る揺れ(地震動)を記録し、異常が多発している浜岡原発(静岡県御前崎市)への不安が強まっています。
地震の規模を示すマグニチュードは1大きくなると地震のエネルギーは約30倍、2大きくなると約1000倍大きくなります。M6・5の駿河湾地震にくらべ、M8級の東海地震は地震のエネルギーが数百倍になります。
駿河湾地震で、浜岡原発5号機の原子炉建屋では、1階で「設計用最強地震」を上回る地震動を記録。最下階の地下2階でも、設計用最強地震とほぼ同じ地震動を記録しました。
中部電力によると、この地震後、浜岡原発では50件を超す異常が確認されています。原子炉の制御にかかわる異常のほか、地盤沈下・隆起(最大20センチ)、道路の亀裂などが発生。微量ながら、排気塔から放射性物質が排出されていたことも明らかになっています。
中部電力や原子力安全・保安院は、駿河湾地震で浜岡原発の安全性は基本的に保たれたと強調しています。しかし、東海地震が起きたらどうなるかについては言及していません。
「設計用最強地震」の揺れを過小評価していたのではないか、との本紙の質問に対し、中部電力は、「5号機で突出した揺れを観測したことについては今後調査する」としています。しかし、東海地震を想定した地震動を検討しなおすことは現在のところ考えていないとしています。
設計用最強地震 原発の耐震設計の基準とされた地震。「将来起こりうる最強の地震」とされ、浜岡原発では、1854年の安政東海地震(M8・4)を想定しています。M6・5の地震(駿河湾地震)で、M8・4を想定した揺れを超えてしまったことになります。