2009年8月31日(月)「しんぶん赤旗」
イラク周辺国会議を
イラン外相、治安強化向け
【カイロ=松本眞志】イランのモッタキ外相は29日、爆弾テロがエスカレートするイラクでの治安強化を目的とする周辺国会議を提唱しました。
モッタキ氏は、イラクの治安情勢の影響は周辺国に波及するとの認識にたち、「すべての近隣国が会議を支持し、協力することを希望する」と語りました。
イラクでは26日に首都バグダッドで500人以上の死傷者を出す爆弾テロが発生。29日にもバグダッド北方のサラハディン州など2カ所で警察の拠点や市場を狙った爆弾テロがあり、計12人が死亡し、女性や子どもを含む40人以上が負傷しました。
一連のテロと治安の悪化に、6月末に都市部で米軍から治安権限を引き継いだばかりのイラク政府軍・警察に対する国民の不信が強まっていました。
テロ実行犯としては、これまでの国際テロ組織アルカイダに加え、旧フセイン政権のバース党支持勢力の存在が指摘されています。
イラク政府はこの間、シリアに亡命中の旧バース党勢力がイラクでのテロを指揮したとしてシリアを非難、大使を召還しました。シリアも大使召還で応酬し、一時、両国関係は険悪になりました。
犯行者がイスラム教スンニ派教徒であることからサウジアラビアに対する批判の声もあがっています。