2009年9月2日(水)「しんぶん赤旗」
選挙制度をどう考える?
〈問い〉選挙制度についてどう考えますか。日本共産党が、ブロック単位の比例代表制を主張している理由は?(茨城・一読者)
〈答え〉国の主権者は国民です。しかし、すべての国民が集まって法律を審議したり予算を決めたりするのは現実的でないので、国会や地方議会に国民の代表を送り、議会が法律や予算を決めます。これが「議会制民主主義」で、その代表の選び方が選挙制度です。
主権者である国民の代表を選ぶのですから、選挙制度には国民の意思を正しく反映できる、民主的な制度が求められるのは当然です。いろいろな選挙制度の中で、得票に応じて各党に議席を配分する「比例代表制度」が、少数意見も議会に反映できる、最も民主的な制度です。
一方、原則として1選挙区で1人の議員を選ぶ「小選挙区制度」は、大政党に有利な非民主的な制度です。多くの投票が議席に結びつかない「死票」になります。また1票差でも当落が決まるので、選挙ごとに結果が大きく変動します。
1選挙区から複数の議員を選ぶ「大選挙区制度」は、少数政党でも議会に進出できるよう配慮した制度です。しかし「大選挙区」の場合、投票が候補者一人だけの名前を書く「単記」か、定数いっぱいまで書ける「連記」かによっても、結果は大きく異なります。
世界の選挙制度は、比例代表と小選挙区の組み合わせがほとんどです。イギリスのように、小選挙区を基本としてきた国でも、多様な民意を反映できないというので、比例代表の導入に向かう国が多くなっています。
日本の衆院の選挙制度は、小選挙区比例代表「並立制」です。この制度から民意を正しく反映する比例代表の定数を削減しようというのは、比例代表の比重を軽くし、国民の意見を国会から締め出すことになります。
日本共産党は、小選挙区制は廃止し、ブロックを単位の比例代表制にするよう要求しています。ブロックを単位としているのは現在の11ブロックを踏まえ、議員と国民とのつながりも大切にしているからです。(男)
〔2009・9・2(水)〕