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2009年9月10日(木)「しんぶん赤旗」

「PM2・5」新基準設定

「大気汚染の改善急務」

公害患者会見


 ぜんそくや肺がんの増加など健康に悪影響を与える微小粒子状物質「PM2・5」の環境基準が9日に告示されたことを受け、全国公害患者の会連合会と大気汚染公害裁判原告団・弁護団全国連絡会議は同日、環境省で記者会見しました。全国の大気汚染が大都市部はおろか地方都市でも軒並み環境基準をオーバーしている深刻な実態を指摘し、「被害者の発生をくいとめる早急な対策が必要だ」と訴える声明を発表しました。

 告示されたPM2・5の環境基準は、米国と同水準の年平均値が大気1立方メートル当たり15マイクログラム以下、日平均値が同35マイクログラム以下。PM2・5は直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子で、おもに自動車排ガスが発生源です。

 同基準について、声明は「各地の大気汚染公害裁判の和解で追求され、東京大気裁判和解で約束されたことを受けたもので、大気汚染被害者と市民の運動で勝ち取った成果」と評価しています。

 全国の主な測定地点の濃度は同20マイクログラム前後で、新基準を軒並みオーバーしています。声明は、国や自治体に(1)PM2・5の測定体制の整備(2)自動車の交通量や排ガス規制など発生源対策の着手(3)道路建設などの環境影響調査にPM2・5を加える(4)国レベルの新たな大気汚染被害者救済制度の創設――などを求めています。

 記者会見した同連絡会議の西村隆雄・東京大気汚染公害裁判弁護団副団長は「環境基準設定はゴールではなく、新たなスタートライン。新政権の公約にもある大気汚染公害被害の補償制度の創設の早期の実現を求めたい。高速道路の無料化は公害対策に逆行するので、やめてほしい」と指摘しました。



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