2009年9月15日(火)「しんぶん赤旗」
環境アセス審査会が審議会
防衛局説明に疑問相次ぐ
沖縄新基地
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沖縄県名護市辺野古沖の米軍新基地建設に関する環境影響評価(アセスメント)準備書を審議する県環境影響評価審査会(津嘉山正光会長)は14日、第7回審議会を那覇市で開きました。
事業者の沖縄防衛局が出席し、審査会が文書で求めていた質問事項について回答しました。審査会委員からは同局の説明を疑問視する意見が相次ぎ、審議を重ねるごとに準備書のずさんさが浮き彫りとなった形です。
埋め立て土砂1700万立方メートルの調達場所について同局は、「国内すべてで調達先を進めている。決まった期間で安定した供給場があればよいが、非常に巨大な土砂量のため、具体的な調達場所について結果は出ていない」などと説明。
津嘉山会長が「これだけのボリュームの土砂採取場が現段階でいまだ決まっていないというのはおかしい。短時間で調達できる量ではない」と実現性を疑問視すると同局担当者も、「委員のおっしゃる通り供給余力のある場(採取場所)はない。本来あり得ない」などと本音を漏らしました。
傍聴していた約80人の市民からは「どだい無理な計画だ」「だからアセスは撤回しかない」との批判が飛び交いました。
知事意見で求めたジュゴンの複数年調査を同局が1年で終了した問題について宮城邦治副会長は、「2、3年調査することでジュゴンの遊泳・生息域が幅広く把握できる。生物学の世界では、動物の行動域の調査結果を1年で出すことはあり得ない。データの信ぴょう性が問われる」と指摘し、改めて正確な複数年調査を求めました。
新基地建設にともなう潮流変化による環境影響について堤純一郎委員(琉球大学工学部教授)は、「最良または最悪の場合のシミュレーションなど多様な調査結果が出たと予想されるが、『環境影響は少ない』という単純な予測・評価は一体誰が出したのか」と苦言を呈しました。