2009年9月16日(水)「しんぶん赤旗」
教訓学ばぬ金融機関批判
リーマン破たん1年 オバマ大統領強調
【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は14日、米国発の金融危機が世界中に広がるきっかけとなった米証券大手、リーマン・ブラザーズの経営破たんから1年となる15日を前に、ニューヨークのウォール街で演説し、金融規制の実現の必要性を強調しました。
オバマ氏は米の金融危機について、政府主導の金融対策、景気刺激策で「過去2年間の嵐は収まりつつあると確信している」と述べ、米国経済が回復に向かっているとの認識を示しました。
その一方で、「金融システムの完全な回復にはさらに多くの時間と努力を必要とする」と表明し、「一部金融機関はリーマン危機から教訓を学ばずに、それを無視している」と指摘。過度の投機取引や、高額報酬にかられて短期の利益偏重に走る傾向が復活しつつあることに警告を発し、「金融危機の歴史を繰り返すことがあってはならない」と強調しました。
今後の規制強化策として、消費者保護のための監督などにあたる「消費者金融保護庁」の創設や、主要金融機関への監督権限を米連邦準備制度理事会(FRB)に一元化することを盛り込んだ包括的改革をあげました。
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