2009年9月18日(金)「しんぶん赤旗」
難病助成 新たに11疾患
治療費軽減 患者の運動実る
難病患者の治療費助成制度である特定疾患治療研究事業(現在45疾患)に、11の疾患を新たに追加することが17日決まりました。一度に11もの疾患が指定されるのは初めて。厚生労働省健康局長の私的諮問機関である特定疾患対策懇談会が決めたものです。
指定された11疾患は、間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下症)、家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)、脊髄(せきずい)性筋萎縮(いしゅく)症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、肥大型心筋症、拘束型心筋症、ミトコンドリア病、リンパ脈管筋腫症(LAM)、重症多形滲出(しんしゅつ)性紅斑(急性期)、黄色靱帯(じんたい)骨化症です。
政府は「構造改革」路線のもとで難病対策費を抑制しつづけ、2001年を最後に特定疾患の追加は途絶えていました。
今回の改正は、高額の治療費に苦しむ患者、団体の共同の運動が実ったものです。
患者の自己負担額は毎月の高額療養制度を利用しても、8万100円が月々の上限です。特定疾患に指定されることで所得に応じて、入院では2万3100円、外来等で1万1550円が上限になります。実施は今年度中の予定。
特定疾患入りを果たした「下垂体患者の会」の代表は、「高額なホルモン注射をあきらめていた患者にも門戸が開けた。自己負担の重さに苦しんでいるのはわれわれだけではない。お金の心配をしなくても治療に専念できる仕組みへ変える必要がある」と述べました。
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