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2009年9月19日(土)「しんぶん赤旗」

障害者自立支援法は憲法の趣旨に反する?


 〈問い〉 障害者と家族が「自立支援法の応益負担は憲法違反だ」と裁判に訴えています。この問題を日本共産党はどう考えますか。(広島・一読者)

 〈答え〉 障害者自立支援法の応益負担は、障害者が福祉・医療サービスを利用する場合、原則1割の利用料を負担する仕組みです。法の根幹であり最大の問題です。日本共産党は、憲法にうたわれた生存権を侵害するものとして一貫して撤廃を要求し、障害者自立支援法そのものの廃止を求めています。

 憲法第25条1項は、「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とうたい、2項で国の権利保障義務を明記しています。ところが障害者自立支援法の応益負担制度は、障害者が生きていくために必要な食事、移動、排泄(はいせつ)、コミュニケーションなどのための支援を「益」とみなして利用料を課すというものです。憲法第25条の生存権理念に真っ向から反します。

 定率1割の応益負担は、多くが年金収入だけで所得の低い障害者にとって過酷です。しかも障害が重い人ほど、必要なサービス量は多くなるので負担が大きくなります。法施行後3年半、重い負担を理由に、施設からの退所やサービスの利用抑制を余儀なくされた障害者が全国で相次いでいます。応益負担は、「自立支援」どころか「自立破壊」であり、憲法の生存権保障の侵害にあたることは明瞭(めいりょう)です。

 さらに応益負担は、個人の尊厳と幸福追求権を保障した憲法第13条に違反します。また「同年齢の市民と同等の基本的権利」を保障するために支援が必要な障害者を、不当に差別するという意味で、憲法第14条の「法の下の平等」原則に反するといえます。

 自立支援法を制定した自公政権が退場し、新政権が誕生しました。「3党連立政権合意」に、「『障害者自立支援法』は廃止」、利用料は「応能負担を基本とする」ことが明記されました。自立支援法訴訟をはじめとする障害者と家族の運動は、応益負担撤廃、障害者自立支援法の廃止を実現する展望を切り開いています。(輝)

 〔2009・9・19(土)〕


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