2009年9月24日(木)「しんぶん赤旗」
志位委員長 カザフ与党第一副議長と会談
核兵器廃絶とアジアの平和での協力を確認
【アスタナ(カザフスタン)=田川実】24日から開催される第5回アジア政党国際会議に参加するため当地を訪問中の日本共産党の志位和夫委員長は23日、カザフスタンの与党ヌル・オタン(人民民主党)のダレハン・カレタエフ第一副議長と同党本部で会談しました。双方は、地球的規模での核兵器の廃絶で協力するとともに、外部に開かれ対話と信頼によって平和を確保しようとする平和の地域共同体の拡大をすすめ、アジアを平和な大陸にするうえでの協力で一致し、両党間の関係を今後発展させることで合意しました。
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カレタエフ氏は、両国関係の発展のために政党間の協力が果たす役割は決して小さくないと述べ、志位氏の今回のアジア政党国際会議への参加とヌル・オタン本部訪問に感謝を表明しました。
志位氏は会議への招待に感謝し、旧ソ連共産党による干渉攻撃とたたかい、チェコスロバキアやアフガニスタンへの侵略を厳しく批判してきた日本共産党の自主独立の立場を紹介。「この点ではソ連による暴虐とのたたかいのなかで独立をかちとったカザフスタンと共通するものがあると思います」と述べ、「世界とアジアの平和の問題にかかわって、双方に二つの点で大きな共通点があると感じています」と話を続けました。
核兵器の犠牲
一つは、日本とカザフスタンが、核兵器による犠牲という深い共通の痛みを共有している点です。志位氏は「旧ソ連による核実験でカザフスタンで100万人以上の人々が被害を受け、とりわけその犠牲が世代を超えて子どもたちに及んでいることに胸が締め付けられます」と述べ、核実験場セミパラチンスクでの被害にかかわる日本の写真家による最新の写真集を贈呈しました。
志位氏は、カザフスタンが国民的たたかいを通して核実験場を閉鎖し、旧ソ連時代から残された核兵器を自ら放棄したこと、さらに中央アジア非核地帯の確立に主導的役割を果たしたことについて、「世界とアジアの平和に貢献する勇気ある賢明な選択だったと思います」と表明しました。
カレタエフ氏は、志位氏の言葉に一つ一つうなずき、写真集に見入りながら、「私たちのたたかいへの支持と協力に感謝します」「私たちの痛みは、日本の皆さんにもあるものだと思います。その意味でも、志位委員長の今回の訪問をありがたく思います」と発言。「今回のアジア政党国際会議の中で、日本共産党が活発に活動されることを望んでいます」と述べました。
それを受けて志位氏が、「今回の会議での発言では、『核兵器のない世界』をめざす私たちの意思を世界に表明し、核兵器廃絶を主題とした国際交渉開始を世界によびかけることを訴えたいと考えています」と述べると、カレタエフ氏は大きくうなずき、「緊密に協力していきましょう」と語りました。
平和共同体を
志位氏は二つ目の共通点として、国連憲章を土台とした地域の平和共同体をつくるカザフスタンの努力をあげました。
志位氏は、東南アジア諸国連合(ASEAN)が中心となってつくった東南アジア友好協力条約(TAC)という地域の平和共同体が巨大な平和の流れになっていることに注目してきたと述べ、「中央アジアでも、大きな平和の源泉がつくられつつあることに、たいへん心強い思いです」と語りかけました。
カザフスタンが提唱したアジア相互協力・信頼醸成措置会議(CICA)がアジア人口の90%を含む20カ国が参加して、目を見張る発展をしていること、上海協力機構(SCO)でもカザフスタンは有力な役割を果たし、イスラム諸国会議機構(OIC)では2011年の議長国に選ばれていることなどを指摘。
「外部に敵を求める軍事同盟でなく、外部に開かれ対話と信頼によって平和を確保しようとするこれらの平和の共同体にこそ、未来があると思います。北東アジアでも、6カ国協議を再開・成功させ、地域の平和共同体をアジア全体に広げることが大切です。アジアを平和な大陸にするうえでの連帯と協力を願っています」と述べました。
志位氏の発言に、カレタエフ氏は、「アジアと世界の平和のための両党の協力をすすめましょう」と応じました。