2009年9月26日(土)「しんぶん赤旗」
核廃絶の声 世界に発信しよう
アジア政党国際会議
志位委員長が発言
【アスタナ(カザフスタン)=田川実】日本共産党の志位和夫委員長は、25日、カザフスタンのアスタナ市で開催されたアジア政党国際会議で、「『核兵器のない世界』をめざして」と題して発言しました。
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志位氏は、今回で5回目となるこの会議には、この大陸のすべての地域から、与野党を問わず多くの政党が集い、戦争、侵略、覇権に反対し、世界とアジアの平和秩序を共同して探求する会議として発展してきたことを指摘し、核兵器問題にしぼって発言をおこないました。
両国の共通する痛みの体験にたって
志位氏は、冒頭、カザフスタンに設置されたセミパラチンスク核実験場がもたらした深刻な犠牲にふれ、「日本とともに、カザフスタンほど核兵器によって苦しめられた国はないでしょう。その地でおこなわれる今回の会議において、『核兵器のない世界』をめざす私たちの共通の意志を、世界に表明しようではありませんか」と呼びかけました。
どうすれば「核のない世界」に到達できるか
つづけて志位氏は、「世界では、核兵器廃絶をめぐって、新しい状況が生まれています」として、今年4月のプラハでのオバマ米大統領の「核兵器のない世界」をめざす演説をめぐって、大統領と書簡のやりとりをおこなったことを紹介しつつ、「どうすれば、人類は『核兵器のない世界』に到達できるでしょうか」と問いかけました。
志位氏は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准、世界に広がる非核地帯条約など、核軍縮の個々の部分的措置は、積極的意義をもつが、「これらの部分的措置は、核兵器廃絶という目標と一体にとりくまれてこそ、『核兵器のない世界』への道が開かれる」ことを力説しました。
また、志位氏は、核不拡散条約(NPT)の体制に言及。条約第6条にもとづいて、核保有国が核廃絶への真剣な努力をおこなう重要性を強調しました。そして、24日、国連安保理核軍縮特別会合において、米国政府が提出した決議案にもとづいた議論がかわされ、「核兵器のない世界のための条件を築く」ことが宣言され、NPT第6条に従って核軍備撤廃のための交渉を誠実におこなうことが決議されたことについて、「この動きを前進の一歩として歓迎します」と表明しました。
核兵器廃絶のための三つの提案
志位氏は、発言のむすびに、「明日、採択されるアスタナ宣言に、三つの内容を盛り込むことを提案します」とのべました。
第一は、「核兵器のない世界」をめざす共通の意志を、世界に表明することです。
第二は、核兵器廃絶を主題とした国際交渉を開始することを、世界に呼びかけることです。
第三は、核保有国に対して、来年のNPT再検討会議で、核兵器廃絶を達成する「明確な約束」を再確認することを求め、その接近と実現への第一歩を踏み出すことです。
志位氏が、「核実験による犠牲に苦しみ抜いた痛苦の経験から、みずから核兵器の放棄、非核地帯の創設という勇気ある道にすすんだ、この地、カザフスタンでおこなわれる歴史的会議で、核廃絶へのメッセージが世界に発信されることを強く願ってやみません」とのべると、会場から大きな拍手がおこりました。