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2009年9月26日(土)「しんぶん赤旗」

社保・年金病院を公的存続

厚労省検討 臨時国会に法案提出も

共産党、住民とともに要求


 自公政権のもとで売却の方針が決まっていた各地の社会保険病院(53カ所)と厚生年金病院(10カ所)について、厚生労働省は存続に向けた検討に入りました。民主党の関係者は「マニフェストの方針通りに公的医療機関として管理する方向で推進していく。関連法案を臨時国会に提出することも含めて検討している」と話しています。


 社会保険病院は政府管掌健康保険(現・協会けんぽ)の保険料で、厚生年金病院は厚生年金の保険料で建設され、地域医療の中核を担ってきました。社会保険庁が設置・保有し、公益法人や地方公共団体が運営してきました。

 しかし、小泉政権下の2001年、公明党の坂口力厚労相(当時)が「社会保険病院の3割程度の整理合理化を検討する」と表明。02年の医療改悪と04年の年金改悪のなかで両病院を「整理合理化」する方針が決められました。

 社会保険庁の「解体」で保有者がなくなるため、08年10月には独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に両病院の管理が移管されました。RFOは医療施設を譲渡・売却するための組織で、来年9月末に設置期間が切れます。

 病院の先行きに不安が広がり、医師や看護師の退職や診療科の廃止・縮小が進むなど、地域医療に深刻な影響が及んでいます。

 公的な医療機関としての両病院の存続・充実を求める住民の願いは強く、意見書などを採択した自治体・医師会は全国で480にのぼります(09年8月時点)。01年以降に集まった各地の存続署名は200万を超えます(社会保険病院・厚生年金病院等の存続をめざす全国連絡会調べ)。

 日本共産党国会議員団は、公的施設としての存続を国会で繰り返し要求。地域住民とともに政府への申し入れを行ってきました。RFOへの移管にあたっては、「医療に対する国の責任放棄であり、地域医療の崩壊を一層進めるものとして断じて容認できない」と政府に申し入れました。

 こうした世論と運動が高まるなかで、民主党も今回の総選挙の医療政策(詳細版)で両病院の公的存続を原則に、新たに「地域医療推進機構(仮称)」を設置して管理する方針を明記しました。

 すでに自公政権のもとで、静岡県浜松市の社会保険浜松病院は譲渡対象病院とされています。東京都新宿区の社会保険新宿診療所も、連携してきた社会保険中央総合病院と切り離され、個別に売却されようとしています。これらの扱いをどうするのかも問われます。



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