2009年9月27日(日)「しんぶん赤旗」
経済回復なお不完全
金融サミット 首脳声明採択 終わる
G20の枠組み恒久化
【ピッツバーグ=西村央】世界的な景気後退からの脱却と金融危機再発防止策を主要課題とし、米ピッツバーグで開かれていた20カ国・地域の首脳会議(G20金融サミット)は25日、2日間の日程を終え、首脳声明を採択して閉幕しました。G20は今後、国際的な経済協力を進めるための恒久的枠組みとなり、定期開催されます。
昨年11月以来3度目となるG20の場で、中国、インド、ブラジルなどの新興国を加えたこの枠組みを恒久化する理由について、声明は「21世紀の必要性に対応した地球規模での構造再編」と説明。強固で持続的な、均衡のとれた成長の基礎を築くための協力を可能にするためには、これら重要な諸国が完全に参加する必要があると指摘しました。
景気刺激策については、経済回復のプロセスが不完全で、多くの国で高失業率になっていることから、経済や雇用の回復が十分なものになるまで継続するとし、今後「出口戦略」の準備にあたることとしました。
金融規制では、4月のロンドンでの第2回G20金融サミット以降、健全性に向けた監督強化や透明性の強化などで進展があったとし、今後、金融安定化理事会(FSB)に対し、証券化市場やヘッジファンド規制などでの進ちょく状況の報告を求めるとしています。
国際通貨基金(IMF)の改革では、新興国の出資割当額比率を少なくとも5%分増やし、新興国の発言力を強めていくことで合意しました。
定例化が決まったG20サミットは、来年6月にカナダ、同11月に韓国で開催となります。2011年は年一回の開催で、フランスで開く予定です。
■関連キーワード