2009年9月28日(月)「しんぶん赤旗」
「戦争と医の倫理」検証
医師・研究者ら「進める会」を設立
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戦争で医師、医学者らが犯した非人道的行為を検証し、これからの医療の発展と平和な社会づくりに生かそうと、医療関係者らが27日、「『戦争と医の倫理』の検証を進める会」を設立しました。
東京都文京区の東大医学部内で開かれた設立大会には、医師や看護師を含む医療労働者、研究者、医学生、弁護士ら85人が出席しました。
採択された設立趣意書は、「戦時中の医学者・医師による非人道的行為に真摯(しんし)に向き合い教訓を活(い)かす取り組みがなされないまま、日本は21世紀を迎えました」と指摘。「史実を明らかにし、検証を進めることは、医の倫理の確立やこれからの医学・医療のために不可欠」であり、そのためには日本医学会や日本医師会、各学会や大学が自らの問題として取り組むことが欠かせないと強調しています。
講演した常石敬一神奈川大教授は、旧日本軍資料などをもとに当時の人体実験や生物兵器について解説。「非人道的行為が罪の意識もなく行われていた。この事実を今につながる問題として考えてほしい」と話しました。
大会では、石川徹東京民主医療機関連合会会長、塩安佳樹東京保険医協会会長、西山勝夫滋賀医科大名誉教授の3氏を代表世話人に、住江憲勇全国保険医団体連合会会長を事務局長に選出しました。
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