2009年10月1日(木)「しんぶん赤旗」
老齢・母子加算復活訴訟
行政が答弁を留保
広島高裁
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生活保護の老齢加算や母子加算の復活を求める集団訴訟で、広島地裁で敗訴した原告の控訴審の第1回口頭弁論が9月30日、広島高裁(磯尾正裁判長)であり、広島市など行政側は準備していた答弁書の主張を留保し、「3党連立政権合意の詳細が明らかでないので、2月下旬まで猶予をいただきたい」と要望しました。全国10の地裁や高裁で係争中の訴訟のうち政権交代後、初の口頭弁論で、行政側は全面的に争う姿勢の見直しを示唆しました。
いったん準備していた答弁書の主張を留保するのは異例のことで、磯尾裁判長は要望を受け入れ、次回口頭弁論期日を来年3月10日に指定。原告側は「全国的にそういう態度を取るのだろうが、ずいぶん時間がかかるので、どういう状況になっているか報告する進行協議期日を」と要望。行政側がこれを受け入れ、磯尾裁判長は進行協議期日を12月18日に指定しました。
広島の原告は26人。この日の弁論では、原告団の加藤清司団長が「総選挙で民主党が政権を取り、母子加算が復活されようとしていることを心からよかったと思う。母子加算の復活は、国の政策が誤りであったということで、老齢加算も同じように議論され、廃止されたが、取り残されるのか」と意見陳述をしました。
原告側は弁論後、広島司法書士会館で記者会見。津村健太郎弁護団長は「原告は既に7人が亡くなり、厳しい生活が続いているので、3月まで待つのは極めて遺憾だが、政治情勢を考えると一定の理解は示せる。よい結果が出ることを期待する」と語りました。