2009年10月3日(土)「しんぶん赤旗」
輸入米の入札強行
農水省、新政権で初
農水省は2日、新しい政権で初めてになる輸入米(ミニマムアクセス米)の入札を実施しました。対象は、みそやせんべいなど加工食品用の輸入米で、5万1000トン。主食用の輸入米(SBS米=売買同時契約米)の入札も、今月23日に2万5000トンを予定しています。
農水省は、自公政権時の今年7月末に「米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針」を決め、その中で、2009年度のミニマムアクセス米の輸入量を引き続き年間77万トン(玄米換算)としました。
同省は「ミニマムアクセス米の入札は国際ルールなので実施する」(食糧部計画課)と説明。旧政権下で決めた「指針」を見直さず、そのまま継承することになります。
収穫期を迎えている国産米の価格は、暴落傾向が続いています。ミニマムアクセス米の輸入ではなく、不足している国産備蓄米の買い入れこそ求められています。
同省は、国産備蓄米の買い入れをするかどうかについて、「10月中旬に発表される09年産米の作況をみて、10月下旬に判断する」(同)とのべ、態度を決めていません。
国産備蓄米の緊急買い入れを
農民連ふるさとネットワーク事務局次長の横山昭三さんの話 市中に米がだぶついているときに、低価格のミニマムアクセス米を平気で輸入するのはとんでもないことです。これでは、自公政権の悪いところを引き継ぐようなもので、許せません。
民主党はマニフェストを公表し、300万トン備蓄を公約しました。いまの国産備蓄米は、旧政権の決めた100万トンには14万トンも不足しています。
2日、農水省は作況を98の「やや不良」と発表しています。農水省は、国産米の作況をみて決めるといっていますが、これでは、豊作にならなければ買わないということになってしまいます。
国産米の米価は、いまでも生産費を大きく下回っており、日本農業は崩壊の危機にひんしています。新しい政権は、国産備蓄米の緊急買い入れと、ミニマムアクセス米の輸入中止こそ、最優先でやるべきです。