2009年10月7日(水)「しんぶん赤旗」
高い大学の学費はどうすべきだと考える?
〈問い〉高校の授業料が問題になっていますが、大学も学費が高すぎます。日本共産党はどうすればいいと考えますか。(徳島・一読者)
〈答え〉国立大学の初年度納付金は約80万円(標準額)、学生の7割が通っている私立大学は平均130万円です。1970年比で国立大学は51倍、私立大学も5・7倍に跳ね上がりました。
高すぎる学費のために中退せざるをえない若者が増え、私立大学では年間1万人の学生が経済的理由で退学しています。頼みの綱である奨学金は学費の補てんにも届かず、返済を義務づける貸与制であり、その7割が有利子です。
日本は高等教育にたいする国の財政支援が弱く、公費支出はGDP(国内総生産)比で0・5%とOECD(経済協力開発機構)加盟国中、最低です。国が高等教育を充実する責任を果たさず、「受益者負担」といって学費を国民に押し付けているからです。高等教育の漸進的無償化を掲げている国際人権規約第13条2項(b)(c)を「留保」しているのは、条約加盟160カ国中、日本とマダガスカルだけで、国連から「早く留保を撤回するように」と勧告も出されています。
日本の学費負担が世界一であることは、欧米諸国と比べると歴然となります。OECD加盟30カ国中、14カ国は授業料を徴収しない無償制です。フランスは授業料がなく、2万4000円の学籍登録料のみです。北欧3カ国とデンマークは授業料も登録料もありません。これらの国には、学生が学業に専念できるよう生活費にあてることを目的にした返済の必要のない給付制奨学金も充実しています。
日本共産党は、国公立大学は授業料減免を広げ、私立大学は授業料負担を減らす「直接助成制度」をつくるよう提案しています。日本が留保している国際人権規約の「学費の段階的無償化」条項を承認します。
国の奨学金はすべて無利子に戻すとともに、返済猶予を拡大します。とくに就学が困難な生徒・学生のため、返済不要の給付制奨学金を創設します。(裕)
〔2009・10・7(水)〕