2009年10月11日(日)「しんぶん赤旗」
自然なくして経済なし
生物多様性条約でシンポ
さまざまな生物の保全を目的とする生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)が来年10月、名古屋で開かれます。これに先立って、「生物多様性条約COP10 1年前シンポジウム」(国際自然保護連合日本委員会主催)が10日、都内で開かれ、150人あまりが参加しました。条約締結国がかかげるべき2010年以後の目標について話し合われました。
基調講演では、アーメッド・ジョグラフ生物多様性条約事務局長が「自然なくしては経済も文明もあり得ない。今後、COP10などを通じて生物多様性の大切さをすべての市民が自分のこととして理解するようになるだろう」とのべました。
ジェフリー・マクニーリー国際自然保護連合上席科学顧問は「生物多様性は人間のあらゆる営みにかかわっている。2010年の次の目標は野心的でありつつ現実的で達成可能なものである必要がある」と将来の目標について提言しました。
渡辺綱男環境省大臣官房審議官は「日本政府としては、条約戦略計画の改定に向け、研究者、NGOの意見を聞いて作業を進めており、今年末には生物多様性条約事務局へ提出する予定」と報告しました。
武内和彦国連大学副学長は「日本の里山は畑、集落、ため池などさまざまな土地利用が結び付いて、生物の多様性を守ってきた。このような環境をみんなで育てていくことが大切だ」とのべました。
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