2009年10月12日(月)「しんぶん赤旗」
ホームレス全国で急増
上野公園炊き出しに1500人
行政の支援求めるボランティア
8月の完全失業率が5・5%と、戦後2番目に高い失業率となる中でホームレスが全国的に急増しています。
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東京都台東区の上野公園で毎週土曜日に行われる二つの支援団体の炊き出しには、9月下旬から10月になって両団体合計で1500人を超えるホームレスが列をつくる事態になっています。
上野公園に限らず、隅田公園でも増えています。この地域で活動する支援団体の炊き出しに1月から8月までに並んだホームレスの数は計1万4710人。前年同期間との比較で4960人増。新宿中央公園では、1月から8月までで計3万2200人が並びました。同じく7119人増えています。
米など不足
上野公園など都内4カ所の炊き出しに米や野菜を供給している「山谷(やま)農場」を主宰する藤田寛さん(39)は「10月から越年にかけてはさらに増えると予測され、米などが足りません。支援してほしい」と訴えます。
東京都では、ホームレス支援の5カ所の自立支援センターや緊急一時保護施設(5カ所)は、合計770人の定員が1月から満員の状況が続いています。そのため都は、新たな施設の増設の検討に入っています。
相談倍近く
名古屋市でも、「昨年秋ごろから生活保護を受けたい」という相談が増えています。保護課の担当者によると、「『住居がない』というホームレス状況の相談者は倍近くになっている」といいます。
同市の7月の生活保護の相談は、4168件。そのうち「住居がない」という相談者は1942人。前年同月比で852人増となっています。
同市の自立支援センターや緊急一時保護施設も満員のため、旅館などを借りて支援する「緊急宿泊援護」の予算を前年度5500万円から1億5400万円に拡充して対策に当たっています。相談窓口の担当者も5人増やしました。
北九州市でボランティアをしている担当者は、「これまで40、50人だったのが9月になって70人から100人も炊きだしに並びます。国や県とも連携した抜本的な対策をとってほしい」と行政に求めています。
山谷農場連絡先 090(1436)6334(午前中のみ)