2009年10月20日(火)「しんぶん赤旗」
沖縄新基地にオスプレイ
環境アセスの前提崩れる
米軍航空計画に明記
沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に配備しているCH46E中型ヘリとの交代配備が計画されている最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイについて、米海兵隊はこのほど公表した「2010米会計年度海兵航空計画」で、普天間基地に代わる名護市辺野古の新基地への配備を明記しました。
米海兵隊は、毎年公表する「航空計画」で2012年からの普天間配備計画を明らかにしてきましたが、これに加えて14年の完成が目標とされている新基地への配備を明記したのは初めてです。
新基地は、CH46Eと比べて激しい爆音をまき散らすオスプレイ配備が前提となっていることが、米側文書で裏付けられました。
10年版「航空計画」によると、現在、普天間基地に配備されている第36海兵航空群(MAG36)に所属する2個中隊のうち、1隊は12年10月から、もう1隊は13年4月からオスプレイへの切り替えを米本土で開始。いずれも1年3カ月で完了する計画で、配備先として、「普天間」に加えて「普天間代替施設(FRF)」と記しています。
現在、日本政府が進めている新基地建設の環境影響評価(アセスメント)は、現時点で普天間基地に配備されている機種を前提にしています。「オスプレイもアセス対象にすべきだ」との住民意見に対して、沖縄防衛局は「配備は具体的に決まっていないと米側は答えているため、環境影響評価の対象にしていない」との見解を繰り返してきました。
米海兵隊が新基地へのオスプレイ配備を前提とした計画を再三、公表していることから環境アセスの前提自体が崩れたと言えます。