2009年10月20日(火)「しんぶん赤旗」
月4万 賃金上げて
介護労働者ら要望
処遇改善の実現急げ
厚労省
新政権の発足に伴い、介護制度充実と民主党が掲げる介護労働者の月4万円の賃上げなど処遇改善の早期の実現を求めて19日、全労連の医療・介護関係労組や医療・女性団体でつくる実行委員会が厚労省に要請しました。
利用者負担によらない介護関係労働者の賃金底上げ、介護職員処遇改善交付金・介護拠点整備対策の期限撤廃と全職種・事業所への拡大、緊急人材育成・就職支援基金等の拡大、介護保険新認定制度の検証などを求めました。
厚労省老健局の担当者は、長妻昭厚労大臣が処遇改善交付金の確実な実施を指示し、さらに期限(2011年度末まで)終了後も処遇改善の方策検討を指示した、とこたえました。
今年4月に実施された介護報酬3%引き上げについて、実行委側は、介護労働者の処遇改善にほとんど結びついていない問題や利用者の負担増につながっている実態を指摘し、発言しました。厚労省側は、実態をつかむための調査票を関係施設に配布中であるとのべました。
実行委側は、介護分野の正規労働者の賃金が全産業平均と比べて月10万円以上安い現状をのべ、緊急対策ではない根本的な賃金や処遇改善施策を求めました。
介護報酬改定に伴う賃上げ
当初の2万円上げ方針 → 月6475円増どまり
4月の介護報酬改定に伴う賃金の引き上げが、月給制で6475円増と、低い水準にとどまっていることが日本介護クラフトユニオン(UIゼンセン同盟加盟)の調査で分かりました。
調査は8月、組合員約2000人(月給制と時給制が半数)が回答。賃上げ額は月給制で3.3%(6475円)、時給制は訪問系介護員の身体介護0.7%(9円)、生活援助2.1%(23円)、そのほかの職種2.2%(23円)でした。
この結果について「不満である」と答えた人(未回答除く)は月給制で71%、時給制で58%にのぼりました。ユニオンでは、「当初の2万円(の引き上げ方針)からはかけ離れている」と指摘しています。
賃金以外では、「何も実施されていない」が最多。次が研修の充実で、「サービスの質の向上につながり、利用者にプラスになると予測される」(担当者)としています。
処遇改善に必要な課題は、「介護保険制度の見直しや介護報酬の改善」「国による政策上の支援」が多くを占めました。