2009年10月22日(木)「しんぶん赤旗」
「無料低額」宿泊所告訴へ
元入居者「生活保護費横領解明を」
生活保護受給者を対象にした無届け・無料低額宿泊所が社会問題となるなかで21日、宿泊所の元入居者2人が宿泊所を運営する団体の代表を相手取り、業務上横領や私文書偽造などが行われていたとして、今月28日までに刑事告訴すると発表しました。告訴されれば全国で初めてのケースとなります。
告訴するのは水谷正勝さん(61)と田川渥さん(64)。水谷さんは千葉市内で宿泊所を運営する「稲毛厚銀舎」、田川さんは千葉市内に本拠をおく任意団体「市民活動団体シナジーライフ」をそれぞれ告発します。
水谷さんは2006年11月ころ、東京都内で「稲毛厚銀舎」関係者に声をかけられ同行。翌日、水谷さんら約10人を千葉市稲毛区役所に連れて行き、本人の同意を得ないまま生活保護を申請したといいます。水谷さんに知らせないまま銀行口座を開設して、通帳・キャッシュカードを管理。入金される生活保護費約12万円のうち、水谷さんには3万円を手渡していました。
田川さんは昨年6月ころ、都内で「簡単に生活保護が認定される」と声をかけられ、千葉市内で生活保護を申請、民間アパートに入居しました。保護費約14万円のうち田川さんに手渡されたのは約2万円の現金と10キロの米だけだったといいます。
都内で記者会見した2人は、生活保護費が他に使われている構図を明らかにしたいと語りました。
また埼玉県川口市の宿泊所に入居していた50代の男性も告訴する予定といいます。
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