2009年10月23日(金)「しんぶん赤旗」
温室効果ガス
50年まで80〜95%減
EU環境相理事会 COP15へ方針
90年比
【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)は21日、ルクセンブルクで環境相理事会を開き、12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)へ向けた交渉方針文書「EUの立場」をまとめました。この中で、温室効果ガス排出量を、1990年比で2050年までに80〜95%削減する目標を打ち出しました。
ドイツのガブリエル環境相は「われわれはコペンハーゲンへ向け、完全に交渉の委任を得た」とメディアに述べ、EU議長国スウェーデンのカールグレン環境相は「世界への明確なメッセージだ」と語りました。
EUが今回掲げた目標は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告にてらした先進国の目標という位置づけです。7月の先進国首脳会議(G8サミット)では50年までの削減目標を80%以上としていました。
方針文書は20年までの目標については30%削減であることを再確認しました。
同文書は、地球の平均気温の上昇を産業革命前の気温と比較して2度以内に抑えるため「地球全体の温室効果ガス排出量を20年までにピークとし、50年までに90年比で少なくとも半減させ、その後も減少させる」ことを再確認し、これらの目標が全締約国に対し「コペンハーゲン会議成功の基盤をつくる」行動を求めていると強調しました。
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