2009年10月28日(水)「しんぶん赤旗」
国会議員の靖国参拝をどう考える?
〈問い〉首相や閣僚だけでなく、多くの国会議員が靖国神社に参拝します。どう考えますか。(沖縄・一読者)
〈答え〉靖国神社は、戦前は陸・海軍省に管理され、国民を戦争に動員するための軍事施設でした。戦後は一宗教法人になりましたが、今日も戦没者を「英霊」として「顕彰」し、日本の侵略戦争を正当化する政治宣伝運動体となっています。
靖国神社境内にある遊就館は「日本の戦争」を礼賛する大規模な宣伝展示館です。こうした靖国神社を、海外のジャーナリズムは「戦争神社」(War Shrine)と呼んでいます。
20日の秋季例大祭に自民党、民主党など50人の国会議員が参拝しました。こうした行為は、自らこの神社と同じ立場に立っていることを表明するものです。それは「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と前文にある憲法を否定することになります。
首相や閣僚の靖国神社参拝は、侵略戦争礼賛の靖国神社に政府が公認のお墨付きを与えるような意味を持ちます。国会議員は、首相や閣僚とは同じではありませんが、侵略戦争への反省を貫くなら許されてよいことではありません。
終戦記念日には自民、民主などの国会議員約40人が、靖国神社に参拝しました。「国務大臣野田聖子」と記帳した元消費者行政担当相や安倍晋三元首相がおり、自民、民主、国民新、改革クラブなどの国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の36人が集団参拝しました。民主からも松原仁衆院議員、前田武志、羽田雄一郎、芝博一の各参院議員が集団参拝に加わっています。
日本共産党の志位和夫委員長は、ことしの終戦記念日の演説で“平和への三つの決意”を表明しました。その演説の第一に「戦前は侵略戦争のシンボルとなり、いまも歴史をゆがめる靖国への参拝は、責任ある政治家がやってはならないことです」と述べ、過ちと向きあい、二度と繰り返さない立場にたってこそアジア諸国民と本当の友情をつくれると訴えました。(靖)
〔2009・10・28(水)〕