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2009年11月1日(日)「しんぶん赤旗」

温暖化対策 COP15へ

EU首脳会議「準備整う」

途上国支援で合意 拠出額は明示せず


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)は29、30日にブリュッセルで開いた首脳会議で、12月にコペンハーゲンで開く地球温暖化対策の国連会議(COP15)へ向けた立場、とくに途上国への資金援助について交渉方針を協議し合意しました。EU自身の拠出額は明示しませんでした。

 採択された議長総括は、「資金問題が(2013年以降の国際的枠組みを定める)コペンハーゲン合意の中心部分だ」と強調。内容として、▽途上国は2020年まで毎年1000億ユーロ(1ユーロは約135円)を必要とする▽220億から500億ユーロを国際的な公的資金で賄う▽EUと加盟国は公正に分担する用意がある▽後発発展途上国を除くすべての国が温室効果ガス排出の責任と支払い能力に基づいて資金を拠出するべきだ▽出足早い途上国支援が重要で、新しい国際協定が定める期間以前の3年間(2012年まで)に毎年50億〜70億ユーロが必要という点に留意し、コペンハーゲンの結果をみて額を決める―などを示しました。

 EUの執行機関である欧州委員会のバローゾ委員長は会見で「われわれはやるべきことをやった。コペンハーゲンの準備は整った」と成果を強調。「ワシントン、ニューデリー、北京にメッセージを伝える」と今後の交渉に意欲を示しました。

 欧州委員会は9月、EUの拠出額として20年まで毎年最大150億ユーロを提案しましたが、今回の首脳会議は明示しませんでした。

 ポーランドなど東欧9カ国は、経済危機で負担に耐えられないとして、EU内分担の合意抜きにEUの途上国支援を決めるべきでないと主張。ポーランドのトゥスク首相は今回の確認について「いいことだ。みんなが譲歩した」と述べました。

 他方、環境NGO(非政府組織)は「(EUの)拠出額を示す機会を逸した」などと批判しています。



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