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2009年11月6日(金)「しんぶん赤旗」

プルサーマル開始強行

国内初 玄海原発、危険増大顧みず


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 九州電力は5日、玄海原発3号機(佐賀県玄海町、118万キロワット)を起動し、国内初のプルサーマル発電を実質的にスタートさせました。定期検査中の3号機にはウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が装てんされています。

 プルサーマルは、使用済み燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜて加工した燃料を通常の原発(軽水炉)で利用する方式です。プルトニウムの毒性が高いことや、原子炉の制御が通常の燃料より難しくなることなど、原発の危険をより増大させると指摘されています。

 九電によると、3号機は5日深夜に臨界に達し、9日にも発電が始まります。その後出力を上げながら調整運転を行い、12月2日に国による最終検査を受け、営業運転に入る予定です。

 使用するMOX燃料はフランスで製造され、3号機の燃料集合体計193体のうち、16体が同燃料に取り換えられました。

 同燃料は、プルトニウムの含有量が外国で使用実績のある燃料よりも2〜3割高くなっています。また、関西電力が自主基準で不合格としたものと同レベルの不適切な燃料である疑いもあります。


必要性ない

 日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員会の野口邦和委員長(日本大学講師)の話 プルサーマルは、ウラン資源の節約効果が乏しく、経済的にも見合わず、処分に困る燃えないプルトニウムが増えるなど、問題が多い。必要性がなく、安全性の検証も不十分なプルサーマルを、なぜ政府がしゃにむに進めるのか疑問です。

 プルトニウムの核兵器転用を疑われないために、ため込まずに利用するというのなら、使用済み燃料を全量再処理する政策を見直して、プルトニウム分離をやめるべきです。

 プルサーマルに使うMOX燃料は、ウラン燃料に比べて放射能が数百万倍も高く、製造・輸送・装てんの各段階で燃料の扱いが難しくなり、労働者被ばくの危険性も格段に増えます。



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