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2009年11月8日(日)「しんぶん赤旗」

憲法守れ 思い発信を

九条の会セミナー 大江さんら講演

北海道旭川


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(写真)講演する大江氏=7日、北海道旭川市

 「九条の会」は7日、北海道旭川市内で第8回憲法セミナー「憲法九条と戦争の記憶」を開きました。5日の大分・別府に続き今年2回目。

 「九条の会」の呼びかけ人の一人で作家の大江健三郎さん、童話作家の加藤多一さんが講演し、800人を超える参加者で熱気にあふれました。

 大江さんは「九条の会」の呼びかけ人の一人で昨年末に亡くなった加藤周一さんの生涯を振り返り、「加藤さんは、終戦後、日本が本当に立ち直っていくためには民主主義を自分のものとすることが一番重要であると考えていた」と指摘。「いま9条を壊そうとする動きが民主主義を打ち壊すとみた加藤さんは、初めて政治的行動に立ち上がり『九条の会』をはじめた」と述べ、「『戦争する日本』では、戦争か平和かを選ぶことはできません。『九条の会』は選択可能性の選択を呼びかけているのです」という加藤さんの言葉を紹介しました。

 大江さんは、“民主主義の理想の実現は根本において教育の力にまつ”とした教育基本法を読んで、「自分が民主主義を実現するのだと思った。民主主義という非常に強い転換期を経験したことが私の一生を決定した」との自らの体験を紹介し、「一人ひとりが子どものとき考えた基本的言葉をはっきり主張していくことが憲法を守るうえで大切」と述べました。

 加藤多一さんは、戦中、徴兵される兄を誇りに思うような少年だったとふりかえりつつ、「戦前も戦後も軍の町だった旭川で、いま『九条の会』が開かれている。北海道からはじまり全国に広がったイラク派兵差し止め訴訟の取り組みが、名古屋で違憲判決を勝ち取った」と、運動の広がりを指摘しました。



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