2009年11月11日(水)「しんぶん赤旗」
直接雇用拒否が横行
非正規切り企業 指導を
仁比議員に首相 「積極的に動いてみたい」
日本共産党の仁比聡平議員は10日の参院予算委員会で「非正規切り」問題を取り上げ、労働局の是正指導に従わず直接雇用を拒否している企業名の公表とともに、政府自ら乗り出して雇用破壊を食い止めるよう鳩山由紀夫首相に迫りました。首相は「直接雇用を進めて雇用の安定に配慮するよう企業を指導し、これを強めていく」とのべました。
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非正規労働者の解雇、雇い止めは、厚労省の調査でも昨年10月の約5千人が今年12月までには24万4千人超に増えます。労働者が偽装請負の是正や直接雇用を求めて労働局に申告していますが、多くの大企業は指導に従わず開き直っています。
仁比氏は、「労働者の声を受け止め、労働者派遣法の抜本改正を急ぐとともに、現行法のもとでも企業の社会的責任を果たさせるべきだ」と迫りました。
さらに、ハリソン東芝(愛媛県今治市)やNECセミコンダクターズ九州・山口(熊本県)が、偽装請負の是正や直接雇用の推奨指導に従わず、直接雇用を拒否していることを告発。「期間の定めのない雇用にするよう勧告し、それでも従わないなら企業名を公表すべきだ」と求めました。
長妻昭厚労相は「個別の事例については詳細にいえない」としつつ、「全国の派遣先企業が法を順守しているか、是正指導の手続きがきちんとなされているか点検したい」とのべました。
仁比氏が、フランスでは自動車大手ルノーの解雇計画に対して大統領や雇用大臣が談判して撤回させた例をあげ、「自ら乗り出して個別企業に真剣にものをいい、雇用を守り、派遣法の抜本改正をはじめ働くルールをつくる決意をうかがいたい」と重ねてただしました。首相は「違反の事例が今後続かないように、積極的に私としても動いてみたい」と表明しました。
仁比氏は、大企業・財界の代表を招致してその社会的責任を問う集中審議を行うことを求めました。