2009年11月11日(水)「しんぶん赤旗」
原爆症訴訟
敗訴原告へ基金を
被爆者ら国会議員に要請
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と原爆症認定集団訴訟の原告団、弁護団は10日、訴訟の全面解決を求めて衆・参の国会議員に要請しました。被爆者や原告、元原告ら約50人が参加しました。
要請では、敗訴原告救済のための基金創設にかかわる議員立法の制定、認定申請者滞留問題の解決と被爆実態に見合った原爆症認定制度の改定を求めました。
要請に先立つ院内集会で、全国弁護団連絡会の宮原哲朗事務局長が訴訟の現状について報告しました。被団協側の基金法の骨子案について説明し、訴訟と原告団が果たした役割にかんがみ、原告団の支援を目的とするとし、敗訴原告に対して、勝訴原告に準じた金額を給付するとしていることをのべました。
宮原氏は、基金について政治的な動きが出始めているが、内容は不明確であり、日本被団協、原告団との調整も図られていないとのべ、政府に対して協議の場を設けるよう求めました。11月30日の福岡高裁、横浜地裁両判決に向けて、基金の内容を具体化するよう運動を強めていこうとよびかけました。
原爆症認定集団訴訟は、8月6日に訴訟の終結に関する基本方針を定めた確認書を日本被団協と政府・自民党との間で交わしました。しかし、基金の創設や、日本被団協らと厚生労働大臣との定期協議などは政府内で具体化されておらず、8000人近い原爆症認定申請者の滞留も問題となっています。