2009年11月13日(金)「しんぶん赤旗」
氷床10年で急減
グリーンランド
グリーンランドを覆う氷床の融解がこの10年間急速に進み、最近数年間は融解速度が加速していることが、異なる二つの方法による計算結果で明らかになりました。欧米の研究グループが、米科学誌『サイエンス』(13日号)に発表しました。
研究グループは、氷の動きの観察結果とモデル計算にもとづく方法と、米独が2002年に打ち上げた地球観測衛星「グレース」による重力測定にもとづく方法で、グリーンランド氷床の変動を調べました。これまで、グリーンランド氷床の融解量についてはさまざまな推定値が示されていますが、グレース衛星が観測を始めた03年以後の、二つの方法による変動の傾向はよく一致していたといいます。
研究グループによると、2000〜08年までの氷床融解量は1兆5000億トン(1年に1670億トン)にのぼると見積もられました。これは、1年間に海面を0・47ミリメートル上昇させるのに匹敵します。06〜08年に限るとこの傾向はより強まり、1年の融解量は2730億トンとなり、海面の上昇量は1年に0・75ミリメートルまで増えているといいます。
グリーンランド 北極海と北大西洋の間にある世界最大の島。面積は約216万平方キロメートルで日本の面積の約5.7倍、大半が厚い氷床に覆われています。デンマーク領ですが、自治政府が置かれています。
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