2009年11月17日(火)「しんぶん赤旗」
子どもの貧困切実…家にコメない/風呂に入れない
増える「保健室登校」
先生 増員を
全教が国会議員と懇談
「糖尿病の高校生で、家は生活保護ぎりぎり、1カ月くらいお風呂に入っていないような子がいます。肥満でひざが痛いといって毎日保健室にきます」―。16日、全日本教職員組合養護教員部は国会内で「子どもたちの貧困の解消と、養護教諭を増やすことをねがう『国会議員さんとの懇談会』」を開き、各地の養護教員が「子どもの貧困」の実態を告発しました。
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家にお米もないという子どもや、リストカットを繰り返す子どものこと、昼休みに弁当をもってこられない子どもたちが保健室に集まってくる例も出ました。
生々しい実例とともに、養護教員を増やしてほしいという要望が語られました。
「692人の子どもがいる学校で養護教員は1人です。1日20人の子が『熱が出た』といってきて、保健室で検温したこともありました」と話したのは東京の中学校の養護教員。
東京都では、30人学級が実現していないために、子どもが900人以上いるのに養護教員が1人しか配置されていない学校があります。
北海道の郡部では子どもの数が少ないために養護教員が配置されない学校も多く、異動も激しいといいます。糖尿病のためにインシュリンの自己注射を打たなくてはいけない子どもがいるのに、子どもの数が少ないからと1年間養護教員が配置されなかった事例も紹介されました。
「今の配置では、子どもの『保健室登校』に対応しきれない」「定時制・通信制高校の保健室を整備してほしい、養護教員を配置してほしい」などの切実な声が相次ぎました。
懇談会には日本共産党の高橋ちづ子、宮本岳志両衆院議員、井上哲士、紙智子両参院議員が参加。宮本議員は、「『子どもの貧困』は日本社会の大問題。養護教員のこうした現状を放置したまま、いくら子ども手当をばらまいても問題は解決しない。みなさんの思いをしっかり受け止めて国会でがんばりたい」と話しました。民主党の国会議員秘書も参加しました。
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