2009年11月19日(木)「しんぶん赤旗」
都立3小児病院廃止容認へ転換
都議会民主 公約どこへ
都議会民主党は18日の総会で、第4回定例都議会(12月1日開会)に東京都が廃止を決めた都立3小児病院(清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院)を存続させる条例案を提出せず、廃止を容認する方針を確認しました。存続条例案は日本共産党都議団が民主党に働きかけ、共同提案することで合意し、具体案を協議してきたものです。
日本共産党都議団の大山とも子政調委員長は同日、同党の対応について「都民の切実な願いに背を向けるばかりか、同党が都議選前後にとってきた立場とも矛盾しており、きわめて遺憾」とし、病院存続の立場を貫くよう再検討を求める談話を発表しました。
民主党は、3月の都議会で3小児病院廃止条例に共産党、生活者ネットとともに反対しました。7月の都議選では、小児病院存続を掲げて当選した都議もいます。
民主党は13日、都に3小児病院廃止を前提とした「多摩地域における小児医療に対する緊急要請」を提出。清瀬、八王子両小児病院の廃止後の「後医療」について▽医師、看護師の増員支援▽八王子市内に小児の救急・入院機能を有する病院の整備―などを求めました。梅ケ丘病院の要請項目はありません。
これに対し都は基本的に要請項目を受け入れると回答。しかし都の回答は、北部医療センターについては医師・看護師の採用をできる限り支援する、八王子については新たな病院整備に努め、仮に整備される場合は、極力連携していくというものにすぎず、とうてい都立病院の代替になるものではありません。
存続を求め活動している多摩地域の母親(39)は「都議選で病院存続公約を掲げていたから民主党に投票したのに…。都立病院がなくなったら大変になると娘の主治医も言っています。あきらめずにがんばりたい」と話しています。