2009年11月19日(木)「しんぶん赤旗」
中国の旧日本軍遺棄化学兵器
被害者救済急げ
国会で集会
「旧日本軍が遺棄した化学兵器の被害者と医師の話を聞く」院内集会が18日、国会内で開かれ、支援者らと国会議員の約70人が参加しました。進行する被害の実態を被害者らが報告し、生活と医療を保障する政策実現に向け、被害者救済のあり方を考えあいました。主催は化学兵器被害事件全国弁護団連絡会と遺棄化学兵器問題の解決をめざす会。
2003年、中国黒竜江省チチハル市で被害に遭った王立冬さん(37)は、症状がひどくても経済的理由から病院に行けず、「被害は自分だけの苦痛だけでなく家族の苦痛でもある」と訴えました。
チチハル被害者を診断した三橋亜由美神経内科医は、被害者に見られる主な神経学的異常として、自律神経の異常や高次脳機能障害、感覚障害や筋力低下があると指摘。「一刻も早い救済が望まれる」と報告しました。
茨城県神栖町に住む青塚美幸さん(32)は02年、旧日本軍の毒ガス兵器との関係が疑われる有機ヒ素化合物が検出された井戸水を飲用し、被害に遭いました。長男は1歳のとき脳性まひと診断され、障害が残りました。「長男の将来を考えると不安」だと語りました。
支援者の女性(62)は「反省も謝罪も賠償もできない日本に誇りはもてない。毎日苦しんでいる被害者が少しでもよくなるよう、いいもの(政策)を作ってほしい」と国会議員に訴えました。
同集会の賛同呼びかけ人に民主、自民、公明の各党議員らとともに日本共産党の穀田恵二、吉井英勝両衆院議員が名を連ねました。
集会に参加した吉井議員は過去の問題とせずに解決しなければいけないとのべました。