2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」
「核の傘」
“固執から抜け出せ”
井上議員追及 外相は抑止力容認
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日本共産党の井上哲士参院議員は19日の参院外交防衛委員会で鳩山政権の核政策について質問し、「核兵器廃絶の先頭にたつというのであれば、“核の傘”の固執から抜け出すことが求められる」と迫りました。
井上氏は、米国で今年5月に発表された「アメリカの戦略体制に関する議会諮問委員会の最終報告書」では、同諮問委員会が在米日本大使館公使らと協議をし、日本側が「核巡航ミサイル“トマホーク”退役を非常に懸念」していたとする記述があることを紹介。「こうした働きかけをしたのは事実か」とただしました。
外務省の梅本和義・北米局長は、同諮問委員会と協議した事実を認め、「特定の装備体系について(米側に)申し上げることはない。安保の下で抑止力の信頼性を下げるのは、日本国民の安全の観点から慎重に、と言うことを説明した」と答弁し、抑止力の能力を下げないよう米側に求めたことを明らかにしました。
加えて井上氏は、5月の米上院軍事委員会の公聴会で、同諮問委員会の委員が、「日本の代表が米国の“核の傘”としてどんな能力を保有すべきか、詳細に説明した」と証言したことをあげ、「核廃絶といいつつ、国民の知らないところで核の維持・強化をもとめている。国民を欺いている」と批判し、事実関係を調査し公表することを要求しました。
岡田克也外相は、旧自公政権のもとでおこなわれたことを理由に「具体的な話は承知していない。詳細はのべる立場にない」と答え、「核の傘は重要な安全保障上の一つの手段である」として核抑止力を容認する考えを示しました。