2009年11月22日(日)「しんぶん赤旗」
北朝鮮対象の貨物検査法案
軍事的緊張を招く
穀田議員
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北朝鮮の船舶を対象にした貨物検査法案が20日、衆院国土交通委員会で審議入りしました。
同法案は今年7月、前麻生政権時に政府が提出し審議未了で廃案になったのを、「自衛隊関与条項」を削除し政府が再度提案したもの。穀田恵二議員は20日の委員会で、自衛隊関与条項を削っても旧法案と何ら内容が変わらず、北朝鮮との軍事的な緊張を招きかねないと批判し、法案成立には道理がないと追及しました。
貨物検査法案は、自衛隊関与条項が削除されたことで、「大きな違いがある。率直に評価する」(重野安正社民党幹事長)との意見が出されています。
穀田氏は、同条項は自衛隊法82条を根拠にした海上警備行動を含む自衛隊の活動を「確認的に規定したもので、新たな任務や権限を付与するものでない」と、「旧法案」審議時に浜田靖一防衛相(当時)が答弁していることを紹介し、「条項を削除しても、自衛隊の活動は制限されない。旧法案同様(自衛隊が)出動できる」「(旧法案と)本質的な違いはない」と述べ、政府をただしました。
榛葉賀津也防衛副大臣は、「(穀田議員の)言われる通り」「(自衛隊関与条項は)確認的な規定」と浜田前防衛相と同様の答弁をしました。さらに、万が一の可能性として海上警備行動による自衛隊の出動が「全くないとは言いきれない」と述べ、同法案も、自衛隊出動の可能性を踏まえたものであることを明言しました。
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